Abstract:
新型コロナウイルス感染症のパンデミックやロシア・ウクライナ戦争など、グローバルバリューチェーンに影響を及ぼす最近のいくつかの危機の出現により、いくつかの国は一次産品の高度な国際的な相互依存に対して、深刻な脆弱性があることが明らかになった。
このような状況で、天然資源に乏しい日本経済の見通しは、長期にわたる政治的・経済的危機に陥っている資源豊富な供給国によって、深刻な脅威にさらされている。
これに対して、日本政府は海外における天然資源の開発をはじめ、資源調達問題に対処するためのいくつかの戦略の見直しを積極的に講じているようだ。
そして、日本が第三国の抵抗の為、天然資源に対する恒久的なコントロールをしにくくなる可能性があるものの、一方では国にとって戦略的な資源の取引に直接携わっている総合会社から、多大な支援を得ていることは事実である。
従って、日本政府は直接的に関わらないままで、国内の総合商社を財政的に支援しながら、長期的には天然資源の海外依存度を減らそうとしている。
また、日本は世界中の地政学的緊張によってもたらされる現在の課題を克服するために、積極的に役割を果たし、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという原則で合意された「持続可能な未来」の実現に取り組んでいるが、プロパガンダの下で取り組みを行っているのではないかと推察する。
さらに、総合商社の場合でも収益性の改善をするために、社会・環境問題への配慮するSDGsをターゲットにして、新しい時代や社会のニーズに応えたビジネスモデルの進化を目指している。
本稿は持続可能な経済発展に対する総合商社の取り組みと戦略について議論されていますが、総合商社が政府の国益と一致し、意図的に海外の地域社会に対して環境違反と人権侵害を引き起こしていると思われる事例も取り上げられている。
したがって、本研究は、サステイナビリティという新しい課題と日本政府との依存関係の間に、現代日本の総合商社の役割を、国家的な視点と新しいグローバルな観点という二つの視点から明らかにすることを目標とする。
上記の関係はどのように展開するか、日本の商社のうち 2 社 (伊藤忠商事、豊田通商) の戦略やプロジェクトに対してどのような影響を与えるのか。
他に考慮すべき政治的主体はいるか?
また、総合商社は持続可能を中心としたビジネスモデルを通じて、現実的に収益性の達成が実現できるのか。
さらに、総合商社はより持続可能な将来の日本社会を実現するという課題に対して、実際に適切な特徴と強みを体現しているのか。
総合商社の貢献によって、持続可能性と資源安全保障を求める日本政府の競争の真の方向転換につながるのか。
この主題に関する既存の研究を考慮しながら、日本の総合商社に関する最新の統合リポートと事実に基づいて、上記の研究上の質問に答えて議論を発展していきます。