Abstract:
本研究は、実践研究の立場から韓国語文化教育の実践を試み、今後の韓国語文化教育の在り方を提示することを目的とした。まず、外国語としての韓国語文化教育に関する先行研究の分析を行った上、実際的な韓国語文化教育の現状を把握するため、日本における韓国語文化教育の研究と教材の分析を行った。また、実践研究と内容重視の批判的言語教育という外国語としての日本語教育についてまとめ、総合活動型日本語教育の実践について考察した。次に、イタリアのヴェネツィアカ・フォスカリ大学のアジア・北アフリカ研究科の韓国学科の学部の二年生を対象に、「考えるための韓国語」という実践を試み、学習者、教師の立場から分析を行った。その結果、学習者の立場からは、外国語である韓国語で自分の考えを表現し、他者とのやりとりを通して自分の考えを発展させる変化が見られた。教師の立場からは、実践の内容とプロセスを振り返る省察により、今後の韓国語文化教育に関する意味と課題を認識するようになった。このことで、総合活動型韓国語教育という実践が、今後の外国語としての韓国語の新たな試みの一歩になる可能性が示された。